テニス肘(上腕骨外側上顆炎)
- 2022年6月11日
- 整形外科
中年以降のテニス愛好家に生じやすいのでテニス肘と呼ばれています。
テニスのバックハンドだけでなく、物を持ち上げたり、タオルをしぼると、肘の外側から前腕にかけて痛みが出現します。症状が強い場合には、コーヒーカップをつまんで持つ、電話の受話器を持つだけでも痛みが生じます。
一般的には、年齢とともに肘の腱付着部の慢性ストレスによる炎症で起こります。主に短橈側手根伸筋の付着部の炎症が原因であるとされています。この短橈側手根伸筋は手首(手関節)を伸ばす働きをしています。
まずは保存療法が原則です。
1. 前腕の伸筋群、屈筋群のストレッチが効果的です(ストレッチの効果が得られたら、筋力強化)
2. 安静にし(急性期にはアイシング)、お薬や湿布を使用します
3. テニス肘バンドを装着します
4. 効果が不十分なら、ステロイドの注射(どうしても痛い初期のみ4~5回だけ、何度もやると腱を痛めてしまう)
長期にわたる場合には、握力低下や肘関節の可動域制限が認められるため、肘関節の拘縮改善に加えて、上腕二頭筋や上腕三頭筋の筋力訓練なども行う。
6か月以上保存療法が無効な場合には、手術療法を行うこともあります。