マレット指(槌指)
- 2022年6月11日
- 整形外科
指の第1関節が木槌のように曲がった状態になるので、マレット指・マレット変形などと呼ばれます。
突き指のようにボールが指先に当たったり、ポケットやカバンに勢いよく手を突っ込んだ時、過度な楽器の使用などによって起こります。
第1関節が曲がったままで痛みや腫れがあり、自分で伸ばそうと思っても伸びません。しかし、手伝って伸ばすと伸びます(他動伸展できる)。
マレット指のなかには、指先を伸ばすスジ(腱)である伸筋腱が屈曲を強制されて伸びたために生じる腱性槌指と、軸圧を受けて第1関節の剥離骨折が生じて起こる骨性槌指があります。
腱性マレット指では一般に装具などの保存的療法が行われます。治療を行っても、中高年者では伸展障害が残ることも多いのですが、日常生活での支障はあまりないことについてもお話しています。固定装具などを用いる期間も6~8週ほどの長期間を要し、手洗いや入浴でもなるべくはずさないようにしていただくことが多いです。陳旧例であっても保存療法で改善することがあります。
骨折を伴う骨性マレット指の場合には、手術を必要とすることがあります。受傷後週間以上経過していると、整復が困難となる場合もありますので、手の外科専門医をご紹介しております。