関節リウマチ
- 2022年6月12日
- リウマチ
自己免疫性疾患の中では最も多く見られ、複数の遺伝的要因に環境因子が加わったことで、自己免疫応答が惹起されて起こり、その結果、様々な関節に慢性の炎症が持続し、進行性の関節破壊にいたる病態です。特に、30~50代の女性に多くみられます。
腫れている関節の数、レントゲン検査、血液検査(リウマチ因子や炎症反応)、期間が6週間以上か、などを参考に診断します。
最初は、炎症の主な中心は関節滑膜で、関節に痛みが生じ、腫れたりします。主な症状は、関節のこわばり・痛み・腫れです。初期症状は、朝起きた時に両手指の関節がこわばって動かしにくい「起床時の手指のこわばり」が見られます。多発性の場合は、全身の複数の関節に、対称性の場合は左右両方の関節に症状が現れます。特に、手指・手首・足指に多く症状が見られ、さらに病状が進行すると関節が変形してきます。変形は、手指の付け根関節から親指以外の指が外方向に向く尺側偏位、指に見られるスワンネック変形やボタン穴変形、足指では外反母趾・槌趾変形が多く見られます。
さらに骨委縮、骨破壊へと進行すると、次第に関節機能が損なわれるため日常生活に困難をきたすようになります。
さらには、血管や呼吸器など関節以外の症状も伴うことから、全身性の疾患としてとらえる必要があります。
近年の研究結果により、関節リウマチの関節破壊は発症から数年間の早期に急速に進行することがわかっており、発症早期から積極的に治療を行うことがスタンダードになってきました。
メトトキセレート(MTX)や生物学的製剤などの新しい薬の登場により、パラダイムシフトとも呼ばれるような、効果的に関節破壊を抑える治療ができるようになりました。
このため、これらのお薬の効果を最大限引き出すための、早期の診断が必要不可欠となっています。
ただし、生物学的製剤は、免疫の働きを強く抑えるので、肺炎や結核など感染症には十分注意が必要です。そのため、品川大井町整形外科・リハビリクリニックでは生物学的製剤の治療を要する患者さんは、連携している医療機関のリウマチ・膠原病内科をご紹介させていただいております。