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医療コラム

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外傷性頚部症候群

外傷性頚部症候群は、いわゆる「むち打ち」、「頚椎捻挫」と同様に、転倒や交通事故などの外傷によって生じる頚椎の軟部組織の損傷が中心となりますが、頚椎の運動や神経の症状のみならず、精神症状や視覚・平衡感覚障害など多彩な症状を呈する症候群と定義されています。

このため、頚部痛や手のしびれ、脱力に加えて、頭痛やめまい、吐き気や耳鳴りなどが出現することがあります。

交通事故の受傷直後に症状が無くても、数日たってから出ることもあります。

通常、3~6か月以内に軽快することも多いのですが、約半数の症例で交通事故受傷後1年でも症状が遷延化していることが報告されています。

Quebec WAD task force reportによる分類が多く用いられており、grade1、2が外傷性頚部症候群に該当します。

Grade 1
・頚部痛、個罹患、圧痛
・顕微鏡的な頚部の筋肉や靱帯の損傷
・筋攣縮を起こすほどではない
・受傷後24時間以上経過してから受診する

Grade 2
・頚部の愁訴あり
・可動域(ROM)制限あり
・圧痛あり
・頚椎捻挫・周辺の軟部組織の皮下出血
・軟部組織の挫傷による筋攣縮がある
・受傷後24時間以内に受診することが多い

Quebec WAD task force reportでは、受傷後3日目からの早期リハビリテーション(理学療法、運動療法)を勧めています。

急性期(受傷後2~3週間)には、いわゆる痛み止め(非ステロイド性消炎鎮痛薬、NSAIDs)から使用を開始することが多く、慢性期になると筋弛緩薬や抗うつ薬などが用いられることもあります。

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