膝関節の半月板損傷は、サッカーやバスケットボールなど切り返し動作の多いスポーツでの外傷により発生します。また、非外傷性の断裂では、小児の円板状半月、中高年では加齢に伴う変性をもとにして、日常生活動作や軽微な外傷によっても生じます。

半月板損傷では、痛みやひっかかり感、半月板のかみ込みによるロッキング、膝くずれや水腫・血腫などが認められます。

円板状半月は、半月板の先天性形態異常で、形態が通常の三日月形ではなく、円い厚みのある形をしていて、外側に多く生じます。繊維の配列や血行が異なり、ぶ厚く大きいためストレスに弱く、容易に損傷しやすくなります。

関節のカメラ（関節鏡）を使って、半月板部分切除術や半月板縫合術を行います。半月板部分切除術を行うと、クッションがなくなり関節軟骨の摩耗を早めるため、なるべく半月板を温存する半月板縫合術が多くなってきています。しかし、クッションの役割が乏しくなって、かつ痛みの原因となっている場合などには、部分的に切除せざるを得ないこともあります。

また、前十字靱帯損傷など、靱帯の不安定性がある膝関節での半月板損傷では、治癒が期待しにくいため、縫合術の適応にはならないこともあります。