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医療コラム

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橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は全骨折の中で約20%を占める、上肢の中では最も頻度の高い骨折です。

骨粗しょう症を有する高齢者の転倒など、低エネルギー外傷によることがほとんどです。また青壮年者では、交通事故や転落などの高エネルギー外傷によることもあります。

手関節の疼痛や腫脹、皮下出血を認め、最も頻度の高い、約3/4を占める背側転位型、いわゆるColles骨折では、外観上フォーク状変形を呈します。

尺骨茎状突起骨折の合併も多く認められます(50~65%)。TFCC損傷を合併した場合には、痛みや不安定性を伴うことがあります。

局所麻酔や伝達麻酔、静脈麻酔などを用いて、整復術を行い、場合によっては最初は肘の上までギプス固定を行います。

手指の腫脹や疼痛の増強が認められる場合には、コンパートメント症候群を発症している可能性があるため、ギプスカットが必要となる場合もあります。

高齢者の骨粗しょう症を有する骨折では、粉砕することも多く、整復位が得られてもギプスの中で再転位することもあります。

また、整復肢位でのギプス固定は、手指腫脹の増悪や循環障害、関節拘縮、複合性局所疼痛症候群などの原因となるため、最近ではあまり勧められていません。

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