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医療コラム

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脛骨高原骨折(プラトー骨折)

  • 2022年6月26日

脛骨の近位端は関節面を形成し、形状が平らになっていることから高原やプラトー(plateau)と呼ばれています。

脛骨高原骨折とは、この関節面の骨折です。膝関節面に、過度の内・外反あるいは垂直方向の荷重が加わった際に、太ももの大腿骨顆部と、すね側の脛骨高原部が衝突すると、比較的力学的に弱い脛骨側が損傷を受けて発生します。内側と外側に、2つの関節面があるのですが、外側の損傷が多いです。

若年者ではスポーツや高所からの落下、交通事故など外傷で発生し、骨脆弱性のある高齢者では低エネルギー外傷で発生します。

疼痛は強く、多くは関節血種を伴った関節の腫れを認め、膝関節の屈伸は困難となります。高齢者の場合には、もともと変形性膝関節症で膝に水が溜まっている場合もあるため、注意が必要です。

関節穿刺を行い血腫を確認すると、キラキラした脂肪滴を観察する場合があります。これは骨折によって、骨髄に含まれる脂肪が関節内に流出していることを示しています。脂肪滴を伴う場合には骨折が予想されるので、さらに3D-CTやMRIを行うことになります。

脛骨高原骨折では、靱帯損傷や半月板損傷を合併しているケースが多く、受傷機転を詳しく聞くことで、例えば外側の脛骨高原骨折の場合では、膝関節が外反強制位となったことが推察されるため、内側側副靱帯(MCL)損傷の可能性が示唆されます。

解剖学的には、強固に固定して、早期の可動域訓練や筋力訓練を開始するのが関節内骨折の基本ですので、5 mm以上の関節面の転位がある場合には手術の適応となります。

関節のカメラ(関節鏡)で確認しながら、関節面を整復し、合併する半月板損傷の治療などを行い、すき間に人工骨(β-TCPなど)を充填したりします。

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