上腕骨近位端骨折
- 2022年6月25日
- 整形外科
上腕骨近位端骨折は、骨折全体の5%を占める、高齢者の転倒などによる、骨粗しょう症性低エネルギー外傷によるものが多いです。
腱板といわれるいろいろな腱が付着している場所のため、骨折により骨片が様々な方向に転位することがあります。骨折を疑う場合には、CTも追加で行うことが賢明です。
肩の痛みに加えて、運動が困難となり、腫脹や皮下出血を認めます。時間の経過ともに、前腕や手指にまで腫脹がおよび、数週間かけて皮下出血も遠位に移動し、黄色くなって色が抜けていきます。
末梢神経麻痺を伴う場合も、脱臼などと比較すると予後は比較的良好であると言われています。
三角巾やバスとバンドなどによる保存療法による治療成績は良好のため、転位が少ない骨折で、高齢者の場合は適応となります。
転位が少なくても、若年者や活動性が高い方で、早期の社会復帰を希望される場合には手術適応となります。転位が大きい場合の手術症例は全体の約20%と言われています。