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医療コラム

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変形性膝関節症

  • 2022年6月12日

加齢や負担の蓄積などを背景に、膝の関節の軟骨がすり減ったり、慢性的に骨の変形が生じたりする疾患です。女性や肥満の方に多い疾患で、年齢とともに多くなります。初期には膝のこわばりや、歩き始め、長時間の歩行、立ち仕事の後などに痛みが起こり、痛みや歩行障害も加わって徐々に日常生活が制限されることがあります。  

仕事・スポーツなどによる膝の使い過ぎが一因である他、⼥性が閉経すると急激な筋⼒の低下が起こるため、膝関節に負担がかかるようになるとも言われています。また、アジア人の女性はO脚の⽅が多く、膝の内側に負担がかかりやすいこともあげられます。

レントゲンでは、関節の隙間が狭くなったり、軟骨に近い骨が固くなったり、骨棘(こつきょく)というトゲが認められます。

変形性膝関節症のほとんどが膝の内側の痛みです。加齢とともにO脚傾向となり内側に体重がかかるためです。サポーターや足底板は重心を移動させて体重のかかる位置を変えることにより、膝の負担を減らすことができます。

半年以上保存的治療によっても症状が改善しない場合には、手術も選択肢に入ってきます。そのうちの一つ、人工膝関節置換術は、膝関節面を切り取り、チタン合金やポリエチレンなど耐久性に優れた素材でできた人工関節に置き換える手術です。
手術を行うことで、痛みの消失・歩行改善などのメリットがありますが、再手術の可能性、手術や全身麻酔による体への負担、感染による合併症リスクがあるというデメリットもあります。

近年では、20年以上もつ人工関節も開発されており、一生もつ方も多くいらっしゃいます。
また、手術の切開を小さく、術後の疼痛や負担も小さくする手術(MIS)や術後管理なども進んでおり、手術の辛いイメージも徐々に変わりつつあります。

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