肘内障
- 2022年6月11日
- 整形外科
「親御さんなどに手を引っ張られてから、痛みを訴え、腕全体を垂らしたまま動かさなくなった」という典型的なエピソードを持つ、幼児に多い疾患です。まれに寝返りで起きる場合や、「腕がぬけた」、「肩がはずれた」となど言って受診される場合もあります。
肘の橈骨の小さな頭が、円い靱帯からポコッと抜けた亜脱臼が病態です。レントゲンは必須ではないのですが、転倒や痛みと腫れが強い時には、健側(けがをしていない方)も比較の意味で確認する場合があります。
自然に整復される場合や、レントゲンを撮っている間に戻ってしまうこともあるが、整復が成功しても泣き止まないこともあるので、時間をかけて様子を見る必要があります。最初は動かさなかったのに、機嫌がよくなると、母親の首に手を回す、高いところのおもちゃに手を伸ばす、「バンザイ」や「バイバイ」などができるようになれば、整復されているサインです。その後は固定などは必要ではありません。
繰り返す場合もありますが、5~6歳以降になるとだんだん外れなくなります。後遺症などもありません。