肩関節脱臼
- 2022年6月25日
- 整形外科
肩関節は、例えば投球動作などを可能にするように、人体で最も大きな可動域を有する反面、もっとも脱臼しやすい関節であるという特徴を持っています。このため、外傷性脱臼の約半数が肩関節に発症します。
転倒や転落、スポーツの接触プレーなどにより、肩関節が外転・外旋位、あるいは水平伸展位に強制されて起こります。
前方脱臼がほとんどです。
肩の脱臼では、強い痛みのため、自動運動や他動運動にも支障をきたします。
骨折や神経・血管損傷(特に腋窩神経損傷による三角筋の筋力低下や肩外側のしびれ)などの合併症に注意するとともに、できるだけ早期に愛護的に整復を行うことが重要です。
若年者では再発率が高く、初回脱臼後の再発率は66~94%にも及びます。反復性肩関節脱臼に移行した症例では手術を要することもあります。
中高年者では、骨折や腱板断裂を合併することも多いため、注意が必要です。