膝の前十字靭帯(ACL)損傷の経過
- 2022年6月11日
- 膝
前十字靭帯(ACL)損傷接触のあるスポーツや、急激なストップ、着地、方向転換のあるスキーなどでも起こります。受傷時に、knee in toe out positionといって、膝が内に入り、つま先が外を向いた状態で受傷することが多いです。「ガクッとなった」、「ブチっと音がした」という断裂音(POP音)訴えもあります。
後十字靭帯(PCL)損傷は、交通事故のダッシュボード損傷により脛骨の後方ストレスが加わり発症することが多いです。
脛骨付着部の剥離骨折や、特有な、外側関節包、脛骨付着部の剥離骨折(Segond fracture)に注意し、MRIで半月板や軟骨損傷などの合併がないか評価します。
前十字靭帯損傷受傷後、約3週間ほどの急性期では、膝の痛みと可動域制限がみられます。腫れ(関節内血腫)は初めからあることもあれば、徐々に後から出てくることもあります。急性期を過ぎると痛み、腫れ、可動域制限は軽減してきますが、腫れが引くと逆に膝の不安定感が徐々に出てきます。下り坂や階段、捻る動作などで自覚することが多いです。
手術は急性期の症状が落ち着いてから(受傷後およそ1か月以降で)行うことが一般的です。手術前には、可動域を悪くしないため、強い固定は行いません。
不安定性をそのまま放置しておくと、さらに半月板や軟骨の損傷などを生じ、慢性的な痛みや膝のお水(水腫)の原因になることもありますので、スポーツへの復帰を希望される場合には手術を要する可能性が高くなります。