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医療コラム

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鎖骨骨折

鎖骨骨折は、転倒や転落時に、手や肘をつく、肩を強打するなどの介達外力によって生じることの多い、骨折全体の約5%を占める頻度の高い骨折です。中央1/3の骨幹部骨折が最も多く(約80%)、近位骨片は胸鎖乳突筋の牽引力で上方へ、遠位骨片は三角筋や下胸筋による牽引力で下方へ転位します。

骨折部の疼痛や腫脹に加えて、肩の挙上困難が伴います。転位が大きいと骨折部の突出が認められる場合もあります。

X線上は、小児の若木骨折(不全骨折)には注意が必要です。また、高エネルギー外傷では、同じ側の肋骨や肩甲骨、肺の損傷などにも注意する必要があります。

鎖骨の近位部はいくつかの靱帯などによる支持機構により比較的安定しているため、骨片の転位が少ない症例(約2cmまたは小児)では三角巾や鎖骨バンドを用いた保存療法が用いられますが、転位が大きい場合には偽関節の発生頻度が高くなるため、手術の適応となります。手術療法には、鎖骨のすぐ下を走っている血管や神経損傷などの合併症があります。

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