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医療コラム

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交通事故の検査は念のためでも受けるべき?受診の流れと費用の仕組み

交通事故の検査は念のためでも受けるべき?受診の流れと費用の仕組み

交通事故に遭ったあと、体に痛みがなくても「念のため検査を受けたほうがいいだろうか」と迷う方は少なくありません。結論から言えば、痛みの有無にかかわらず、事故後はできるだけ早く整形外科で検査を受けるべきです。事故直後に症状がなくても数日後に痛みやしびれが出てくるケースは珍しくなく、そのメカニズムを知っておくと「念のため」の意味が具体的にわかります。

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交通事故で痛みがなくても検査が必要な理由

交通事故で痛みがなくても検査が必要な理由

「体はどこも痛くないから大丈夫」と思っていても、受傷直後に痛みを感じないことには医学的な理由があります。

事故直後は痛みを感じにくい

交通事故のような突発的な衝撃を受けると、体は強いストレスに対応するためにアドレナリンを大量に分泌します。アドレナリンには痛みの感覚を一時的に鈍くする作用があり、事故直後に「体は大丈夫そうだ」と感じる原因の一つです。この状態は数時間から1日程度で収まりますが、それまでは骨折や靭帯の損傷があっても痛みとして自覚しにくくなります。

さらに、衝撃を受けた体は反射的に筋肉を強く緊張させて体を守ろうとします。この筋肉の緊張が「ギプス」のような役割を果たすため、傷ついた組織が一時的に保護され、痛みが出にくい状態が続きます。しかし数日経って筋肉の緊張がゆるんでくると、隠れていた炎症や神経への刺激が一気に表面化し、首や腰の痛み、手足のしびれといった症状が出現することがあります。

むちうちは見た目ではわからない

交通事故で最も多いケガの一つが、首の周囲の組織が損傷する「むちうち」です。追突事故では、頭が前後に大きく振られることで首の筋肉・靭帯・神経が傷つきますが、骨折を伴わないケースでは外見上の変化がなく、本人も「首が少し張っている気がする」程度にしか感じないことがあります。

むちうちの厄介な点は、受傷から数日〜1週間後に症状が強くなるパターンが多いことです。首の痛みだけでなく、頭痛、めまい、腕のしびれ、だるさなど、首から離れた場所にも症状が広がることがあり、事故直後の自己判断だけでは見落としやすいケガです。

検査を受けないまま放置するリスク

痛みを感じないからと検査を受けずにいると、2つの問題が生じます。一つは医学的なリスクで、小さな骨折や靭帯の損傷を見逃したまま日常生活を続けると、症状が慢性化したり、回復に時間がかかったりする場合があります。

もう一つは補償に関わるリスクです。交通事故による受傷を証明するには、医師の診断書が必要です。事故から時間が経ってから受診すると、「事故と症状の因果関係」を認めてもらいにくくなり、治療費や慰謝料を適切に受け取れなくなる可能性があります。

念のための検査は、体を守ると同時に、自分の権利を守る行動でもあります。

交通事故後の検査で何がわかるか

交通事故後の検査で何がわかるか

整形外科では症状や事故の状況に応じて複数の検査を組み合わせ、体の中で何が起きているかを確認します。

検査 わかること 所要時間の目安
レントゲン 骨折、骨のずれ 数分
MRI 筋肉・靭帯・椎間板・神経の損傷 20〜40分
CT 骨の細かいヒビ、立体的な位置関係 10〜15分
超音波(エコー) 筋肉・靭帯の炎症、腫れ 10〜15分

どの検査を行うかは、事故の状況(車の損傷程度・衝突の向き・シートベルトの有無など)や症状の訴えをもとに医師が判断します。痛みがなくても問診で衝突の状況を詳しく伝えることが、適切な検査につながるポイントです。

レントゲン検査

交通事故後にまず行われるのがレントゲン検査です。レントゲンは骨の状態を撮影する検査で、骨折の有無、背骨のずれ、関節の変形などを短時間で確認できます。撮影時間は数分程度で、体への負担はほとんどありません。

ただし、レントゲンが映すのは骨の情報が中心です。筋肉や靭帯、椎間板といった軟部組織の損傷はレントゲンだけでは判断できないため、骨に異常がなくても「問題なし」とは限りません。

MRI検査

MRIは磁気を利用して体の断面を撮影する検査です。レントゲンでは見えない筋肉・靭帯・椎間板・神経の状態を詳しく確認できるため、むちうちの診断に欠かせない検査の一つです。

むちうちのように「レントゲンでは異常が見つからないが痛みやしびれがある」というケースでは、MRIで椎間板のふくらみや神経の圧迫を確認することで、症状の原因を特定できる場合があります。検査時間は撮影部位にもよりますが、20〜40分程度です。

CT検査

CT検査はレントゲンと同じX線を使いますが、体を輪切りにした断面画像を撮影できるため、骨の細かい損傷をより正確に把握できます。レントゲンで見つけにくい小さなヒビや、骨の位置関係を立体的に確認したいときに使います。

超音波(エコー)検査

超音波検査はX線や磁気を使わず、体の表面から超音波を当てて筋肉や靭帯、腱の状態をリアルタイムで観察する検査です。痛みがある部分の腫れや炎症、筋肉の損傷の程度などをその場で確認でき、検査中に痛みもありません。

交通事故の検査はいつまでに受ければよいか

交通事故の検査はいつまでに受ければよいか

事故当日に受診するのが理想で、遅くとも2〜3日以内の受診が望ましいです。

事故直後であれば、医師が「受傷直後の体の状態」をそのまま診察・記録できます。時間が経つほど初期の損傷状態がわからなくなり、正確な診断が難しくなります。加えて、事故から受診までの空白期間が長いと、保険会社から「本当に事故が原因のケガなのか」と因果関係を疑われる原因にもなります。

「1週間以上空いてしまったらもう遅いのか」と不安に感じる方もいますが、遅いということはありません。ただし、日数が経過するほど因果関係の立証が難しくなるのは事実です。事故後に少しでも違和感がある場合は、迷わずその日のうちに受診してください。

仕事などでどうしても都合がつかない場合でも、翌日〜翌々日までには受診することを強くおすすめします。

交通事故の検査費用は誰が負担するのか

交通事故の検査費用は誰が負担するのか

交通事故で受けた検査や治療の費用は、原則として加害者側の保険から支払われます。被害者の方が窓口で全額を自己負担し続けるわけではありません。

自賠責保険と任意保険の仕組み

交通事故の補償は、「自賠責保険」と「任意保険」の2階建ての仕組みになっています。自賠責保険はすべての車に加入が義務付けられている保険で、被害者1人あたりの傷害に対する補償限度額は120万円です。この120万円の中に、治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料がすべて含まれます。

自賠責の限度額を超える部分は、加害者側の任意保険から支払われます。

参考:自賠責保険・共済の限度額と補償内容

窓口での支払いはどうなるか

加害者側の任意保険会社と連絡が取れている場合、保険会社が病院へ直接治療費を支払う「一括対応」が一般的です。この場合、被害者の方は窓口で治療費を支払う必要がありません。

ただし、事故直後はまだ保険会社との手続きが済んでいないことが多いため、初回の受診では一時的に自己負担で支払い、後から保険会社に請求する流れになる場合があります。受付時に「交通事故による受診です」と伝えれば、病院側も手続きの流れを案内してくれます。

「念のため」の検査でも費用は請求できるのか

「痛みがないのに検査を受けたら、費用は自分で払うことになるのでは」と心配される方がいますが、交通事故後の検査は医学的に必要な行為です。事故との因果関係が認められる限り、念のための検査であっても治療費として保険会社に請求できます。ただし、事故から大幅に期間が空いた後の検査は因果関係の証明が難しくなるため、やはり早めの受診が大切です。

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交通事故後に整形外科を受診する流れ

交通事故後に整形外科を受診する流れ

交通事故後に整形外科を受診するとき、「何を準備すればいいか」「どんな流れで進むか」がわかっていると、安心して受診できます。

受診前に確認すること

受診時に以下の情報を伝えられるようにしておくと、医師が状況を正確に把握しやすくなります。

  • 事故の日時と状況(追突されたのか、正面衝突か、横からの衝突かなど)
  • 衝突の程度(車の損傷具合、エアバッグが開いたかなど)
  • シートベルトの着用状況
  • 事故直後の体の状態(その場では痛みがなかった、少し首が張った気がした、など)
  • 現在の体の状態(痛み、しびれ、だるさ、頭痛、めまいなど、少しでも変化があれば伝える)

「こんな小さなことまで伝える必要があるのか」と感じた方もいるかと思いますが、衝突の方向や強さは、体のどの部位にどんな力がかかったかを推測する手がかりになります。些細な情報でも診察に役立つことがあるため、遠慮なく伝えてください。

整形外科での診察と検査の流れ

受付で交通事故による受診であることを伝え、保険情報を提出します。その後、問診で事故の状況や体の状態を医師に説明し、触診や動作確認を行ったうえで、必要な検査を受けます。レントゲンはほとんどのケースで撮影しますが、MRIやCTが必要かどうかは症状や事故の状況によって医師が判断します。

検査結果が出たら、医師から診断内容と今後の治療方針について説明があります。骨折がなくても、筋肉や靭帯の損傷が疑われる場合はリハビリテーションの通院を提案されることもあります。初回受診時に診断書を発行してもらうことで、警察への届け出や保険の手続きがスムーズに進みます。

物損事故のまま処理した場合の注意点

事故現場で「ケガはなさそうだから物損事故で処理しよう」となった場合でも、あとから体に痛みが出てくることがあります。物損事故のままでは治療費や慰謝料を請求できないのが原則ですが、医師の診断書をもって警察に届け出れば、人身事故への切り替えが可能です。

切り替えの手続き自体は難しくありませんが、事故から日数が経つほど手続きのハードルが上がります。事故後に少しでも体に違和感が出たら、早い段階で整形外科を受診して診断書を取得することが、あとからの対応を楽にします。

交通事故の念のため検査に関するよくある質問

交通事故の念のため検査に関するよくある質問

同乗者も念のため検査を受けたほうがよいですか?

運転者だけでなく、同乗者も同じ衝撃を受けています。同乗者の方も症状の有無にかかわらず受診をおすすめします。特にお子さんは痛みや違和感をうまく言葉にできないことがあるため、保護者が判断して連れていくことが大切です。

事故の相手が保険に入っていない場合はどうなりますか?

相手が任意保険に未加入でも、自賠責保険は全車に加入義務があるため、自賠責保険への被害者請求が可能です。また、ご自身の任意保険に人身傷害補償や無保険車傷害特約が付いている場合は、そちらからも補償を受けられます。まずは受診を優先し、費用の問題はあとから保険会社に相談してください。

整骨院・接骨院に先に行ってもよいですか?

交通事故後の最初の受診は、必ず整形外科(医療機関)にしてください。整骨院・接骨院は医療機関ではないため、レントゲンやMRIといった画像検査を行えず、診断書の発行もできません。整形外科で医師の診断を受けたうえで、リハビリの一環として整骨院・接骨院に通う流れであれば問題ありません。

まとめ

まとめ

交通事故のあとに「念のため」検査を受けることは、体を守るためにも、補償を受けるためにも重要な行動です。事故直後は痛みがなくても、アドレナリンの影響や筋肉の防御反応で症状が隠されているだけの場合があり、数日後にむちうちの痛みやしびれが出現するケースは少なくありません。

大切なのは、事故当日〜2、3日以内に整形外科を受診し、レントゲンやMRIで体の内部を確認してもらうことです。検査費用は原則として加害者側の保険から支払われるため、費用面を心配して受診をためらう必要はありません。

品川大井町整形外科・リハビリクリニックでは、院内でのレントゲン検査に加え、提携先の病院でのMRI・CT撮影にも対応しており、交通事故後の検査から診断書の発行、リハビリテーションまで一貫して対応しています。事故後に少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

品川大井町整形外科 リハビリクリニック

院長 福山泰平

当院では、整骨院や接骨院、整体・マッサージなどではできない、交通事故の専門治療プログラムを行っています。充実した機器と広いリハビリ設備を完備しておりますので、どうぞ、安心してご来院ください。

経歴
神戸大学医学部 卒業
神戸大学医学部大学院(医学系研究科)修了
大阪大学医学部大学院(医学系研究科)特別研究生
M.D. & Ph.D. 取得
神戸大学医学部附属病院 勤務
神戸労災病院 勤務
三菱神戸病院 勤務
資格・認定
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
日本整形外科学会認定 リハビリ医
日本運動器科学会 リハビリ指導医

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