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医療コラム

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交通事故の捻挫は放置しないで!整形外科での治療と通院で知っておくこと

交通事故の捻挫は放置しないで!整形外科での治療と通院で知っておくこと

交通事故で「捻挫」と診断されると、骨折に比べて軽く聞こえるかもしれません。しかし捻挫は、関節を支える靭帯や周囲の軟部組織が損傷した状態であり、部位や程度によっては数ヶ月の治療を要するケースも珍しくありません。

事故後の捻挫で痛みが続いている方、これから治療に臨む方に向けて、整形外科の視点から知っておきたい情報をお伝えします。

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交通事故で起こる捻挫の種類と特徴

交通事故で起こる捻挫の種類と特徴

交通事故の衝撃は体の複数箇所に同時に加わるため、捻挫が起きる部位も1つとは限りません。ここでは、事故後に多い3つの捻挫について、それぞれの仕組みと症状を整理します。

頸椎捻挫(むちうち)

追突事故などで頭が前後に大きく振られると、首の靭帯や筋肉、椎間板が引き伸ばされて損傷します。これが頸椎捻挫、いわゆる「むちうち」です。首の痛みや肩こりだけでなく、頭痛やめまい、手のしびれが出ることもあります。

厄介なのは、レントゲンでは骨に異常が写らないケースが多い点です。MRIで靭帯や椎間板の状態を確認して初めて損傷の全体像が見えることがあるため、画像検査で「異常なし」と言われても症状があるなら精密検査を受けることが大切です。

腰椎捻挫

衝突の衝撃で腰が急激にねじられたり、前後に強い力がかかったりすると、腰の靭帯や筋肉に損傷が起きます。腰全体が重く痛む感覚が典型的で、前かがみや体をひねる動作で痛みが増します。腰椎捻挫は「ぎっくり腰」と似た症状ですが、ぎっくり腰が1〜2週間で改善に向かうのに対して、交通事故による腰椎捻挫は外力の大きさから回復に1〜3ヶ月、場合によっては半年以上かかることがあります。

下肢(足)のしびれや坐骨神経痛を伴うこともあり、放置すると日常生活への影響が長引きます。

足首・膝・手首など四肢の捻挫

車内で足元を踏ん張った衝撃や、ハンドルを握った手首への反動、膝をダッシュボードに打ちつける動作などで、四肢の関節も捻挫を起こします。足首の捻挫では靭帯が部分的に断裂するケースもあり、腫れがひどい場合は靭帯の部分断裂や骨の微細な損傷を伴っている可能性があるため、自己判断で「たかが捻挫」と片づけず早期に整形外科を受診してください。膝の捻挫では、半月板や側副靭帯の損傷が隠れていることもあります。

事故直後にやるべきことと受診のタイミング

事故直後にやるべきことと受診のタイミング

事故後の初動が、その後の治療効果と補償の両方に影響します。

事故直後の応急処置

捻挫した部位は、まず「RICE処置」と呼ばれる4つの応急処置で腫れを最小限に抑えます。

  • 動かさずに安静にする(Rest)
  • 氷や保冷剤で冷やす(Ice)
  • 包帯などで軽く圧迫する(Compression)
  • 患部を心臓より高い位置に上げる(Elevation)

腫れが広がると関節が動かしにくくなり、回復に時間がかかります。

冷却は受傷から48〜72時間が目安で、氷や保冷剤をタオルで包んで15〜20分ずつ、間隔を空けながら繰り返します。ただし、事故直後は安全確保と警察への連絡が最優先です。応急処置はそれらが済んでから、あるいは医療機関に到着してから行っても遅くはありません。

受診は遅くとも事故から2〜3日以内に

交通事故の捻挫は、事故当日に痛みがなくても数日後に症状が出ることがあります。アドレナリンによって痛みが抑えられているためです。理想は事故当日の受診ですが、遅くとも2〜3日以内に整形外科を受診することが重要です。

受診が遅れると、痛みと事故との因果関係が証明しにくくなり、自賠責保険での治療が認められないリスクが出てきます。「痛くないから大丈夫」ではなく、念のための受診が治療においても補償においても自分を守ります。

整形外科での捻挫の治療内容

整形外科での捻挫の治療内容

整形外科での治療は、診断から始まり症状の段階に応じて内容が変わります。

検査と診断

整形外科ではまずレントゲンで骨折の有無を確認し、必要に応じてMRIやCT、超音波(エコー)検査で靭帯や軟部組織の損傷程度を評価します。神経症状(しびれ、感覚の鈍さ)がある場合は神経学的な検査も行います。画像検査は治療方針を決めるためだけでなく、後々の後遺障害認定や保険請求の際にも客観的な証拠になります。

初診時の画像記録が、その後の補償手続きの土台になるため、自己判断で検査を省略しないことが大切です。

急性期の治療(受傷直後〜数週間)

痛みと炎症が強い急性期は、患部の安静と消炎鎮痛が中心です。具体的には、痛み止め(内服薬や湿布)の処方、必要に応じたサポーターやギプスによる固定、注射での消炎処置を行います。この期間は無理に動かさず、炎症を鎮めることを優先します。

頸椎捻挫であれば頸椎カラーでの固定、足首の捻挫であればテーピングや短期間のギプス固定が選択肢になります。

リハビリテーション(回復期)

急性期の炎症がおさまったら、理学療法士によるリハビリテーションに移ります。リハビリの目的は、関節の可動域を回復させ、弱った筋力を元に戻すことです。具体的には、ストレッチや関節の可動域訓練、筋力トレーニングのほか、温熱療法や電気治療といった物理療法を組み合わせます。

リハビリを途中でやめてしまうと、関節の動きが制限されたまま固まったり、周囲の筋肉が衰えて再発しやすい状態になったりします。リハビリは「痛みが引いたら終わり」ではなく、関節機能が回復するまで続けることが後遺症を防ぐ鍵です。

交通事故による捻挫の治療期間の目安

交通事故による捻挫の治療期間の目安

治療にかかる期間は捻挫の部位と重症度で変わります。

捻挫の種類 軽度 中等度〜重度
頸椎捻挫(むちうち) 1〜3ヶ月 3〜6ヶ月以上
腰椎捻挫 1〜3ヶ月 4〜6ヶ月以上
足首・膝の捻挫 2〜4週間 1〜3ヶ月

表の期間はあくまで目安であり、年齢や受傷時の衝撃の大きさ、基礎疾患の有無によって個人差があります。通院頻度は急性期で週2〜3回、回復期で週1〜2回程度が一般的です。

整形外科と整骨院の違いと使い分け

整形外科と整骨院の違いと使い分け

交通事故後の通院先として、整形外科と整骨院(接骨院)のどちらに行くべきか迷う方は多いです。結論から言えば、まず整形外科を受診し、必要に応じて整骨院を併用するのが、治療と補償の両面で最も確実な進め方です。

整形外科でできること

整形外科は医師が診療を行う医療機関で、検査・診断・投薬・リハビリまで一貫して対応できます。整骨院との最大の違いは、「診断書」と「後遺障害診断書」を作成できるのは医師だけという点です。これらの書類は自賠責保険への請求や後遺障害の認定に不可欠であり、整骨院だけに通っていると作成してもらえません。

整骨院でできること

整骨院は柔道整復師が施術を行う施設で、手技療法(マッサージやストレッチ)や物理療法(電気治療・温熱療法)が中心です。予約が取りやすく、夜間や土日に対応している整骨院も多いため、仕事をしながらの通院に便利です。ただし、画像検査や薬の処方はできず、診断書の作成もできません。

併用する場合のルール

整形外科と整骨院を併用する場合、整形外科の医師の同意を得たうえで行うのが原則です。整骨院のみの通院に切り替えてしまうと、保険会社から「医師の管理下にない治療」と判断され、治療費の支払いを打ち切られるケースがあります。定期的に整形外科を受診して経過の記録を残しつつ、整骨院での施術を補助的に活用するのが、治療効果と補償の両方を守る方法です。

交通事故の捻挫の治療費と自賠責保険の仕組み

交通事故の捻挫の治療費と自賠責保険の仕組み

交通事故による捻挫の治療では、多くの場合窓口での自己負担なしで治療を受けられる仕組みがあります。

自賠責保険で自己負担ゼロ

交通事故の被害者の場合、加害者側の自賠責保険から治療費が支払われます。多くのケースでは、保険会社が病院に直接治療費を支払う「一括対応」が行われるため、被害者の方が窓口で治療費を立て替える必要はありません。自賠責保険の傷害部分の限度額は120万円で、これには治療費・通院交通費・休業損害・慰謝料が含まれます。

治療が長期化して120万円を超える場合は、加害者の任意保険が補填する形になります。

治療費が打ち切られそうになったら

保険会社は、治療開始から一定期間が経過すると「症状固定」(これ以上治療しても改善しない状態)の打診をしてくることがあります。捻挫の場合、3ヶ月前後で打診されるケースが多いです。しかし、まだ痛みが残っているのに自分の判断で治療をやめてしまうと、その後の通院費は自費になり、後遺障害認定にも不利になります。

治療を続ける必要がある場合は、担当の整形外科医に「治療の必要性に関する意見書」を作成してもらい、保険会社に提出することで打ち切りを防げる場合があります。

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捻挫の後遺症と後遺障害認定で押さえておくこと

捻挫の後遺症と後遺障害認定で押さえておくこと

適切な治療を続けても痛みやしびれが残ることがあります。その場合、後遺障害の認定を受けることで追加の補償を請求できます。

捻挫で残りやすい後遺症

頸椎捻挫や腰椎捻挫で多いのは、痛みやしびれがなかなか消えない「神経症状」です。首や腰を動かすと痛い、天気が悪い日に鈍い痛みが出る、手や足にしびれが残るといった症状が典型的です。足首や膝の捻挫では、関節の不安定感(ぐらつき)や可動域の制限が後遺症として残るケースがあります。

後遺障害等級の認定基準

捻挫で認定される可能性がある等級は主に14級9号と12級13号です。

等級 どういうケースか 後遺障害慰謝料の目安(弁護士基準)
14級9号 痛みやしびれが残っており、医学的に説明できる 約110万円
12級13号 痛みやしびれが残っており、MRI等の画像で原因を証明できる 約290万円

12級と14級の分かれ目は、画像検査で異常所見が確認できるかどうかです。慰謝料だけで約180万円の差があり、逸失利益を含めると総額の差はさらに大きくなります。だからこそ、治療の初期段階でMRIなどの精密検査を受け、記録を残しておくことが認定時に大きく影響します。

認定を受けるために通院中にできること

後遺障害の認定で見られるのは、「症状に一貫性があるか」「通院が継続されているか」「医学的な記録が残っているか」の3点です。通院中にできることとして、以下を意識してください。

  • 痛みやしびれの部位・程度を受診のたびに医師に正確に伝える
  • 自己判断で通院を中断しない
  • 必要な検査(MRI、神経学的検査)を主治医と相談して受けておく

後遺障害診断書を書くのは医師であり、記載内容は通院記録と検査結果に基づくため、日頃の通院と検査の積み重ねが最終的な認定結果を左右します。

交通事故の捻挫に関するよくある質問

交通事故の捻挫に関するよくある質問

捻挫した部位にサポーターは使った方がよいですか?

急性期の腫れが引いたあと、関節を安定させる目的でサポーターの使用が有効な場合があります。ただし、サポーターの種類や固定の強さは損傷の程度によって異なるため、自己判断で市販品を選ぶよりも、担当の整形外科医に適切なタイプを確認してから使用してください。固定が強すぎると血流を妨げ、弱すぎると関節を十分に支えられないため、フィット感の調整も大切です。

捻挫でも仕事を休む必要がありますか?

痛みの程度と仕事内容によります。安静が必要な急性期であっても、デスクワークなら短期間の休業で復帰できるケースが多いです。一方、重い荷物を持つ仕事や長時間の立ち仕事は、医師の判断で休業を勧められることがあります。

休業した場合は「休業損害」として自賠責保険や任意保険に請求できます。

捻挫の通院でもらえる慰謝料の目安はどのくらいですか?

慰謝料は通院期間に応じて算定されますが、計算に使う基準によって金額が大きく変わります。

保険会社が最初に提示する金額は自賠責基準(日額4,300円ベース)に近いことが多く、むちうちで通院3ヶ月の場合は約34万円、6ヶ月で約60万円が目安です。一方、弁護士に依頼して裁判基準で交渉すると、同じ通院期間でも3ヶ月で約53万円、6ヶ月で約89万円まで上がる可能性があります。

提示額に違和感がある場合は、弁護士に相談してみる価値があります。

まとめ

まとめ

交通事故の捻挫は「骨が折れていないから大丈夫」と軽く見られがちですが、靭帯や筋肉の損傷は目に見えにくく、放置すると痛みが長引いたり後遺症として残ったりするリスクがあります。

  • 早期に整形外科を受診して正確な診断を受けること
  • リハビリを途中でやめず関節機能の回復まで続けること
  • 通院記録と検査結果を積み重ねて後遺障害認定に備えること

この3つが、治療と補償の両面で自分を守る基本です。

交通事故による捻挫でお悩みの方は、品川大井町整形外科・リハビリクリニックにご相談ください。院内でのレントゲン検査に加え、提携先の病院でのMRI・CT撮影にも対応しており、理学療法士によるリハビリテーションと合わせて、自賠責保険適用の交通事故治療を行っています。

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この記事の監修者

品川大井町整形外科 リハビリクリニック

院長 福山泰平

当院では、整骨院や接骨院、整体・マッサージなどではできない、交通事故の専門治療プログラムを行っています。充実した機器と広いリハビリ設備を完備しておりますので、どうぞ、安心してご来院ください。

経歴
神戸大学医学部 卒業
神戸大学医学部大学院(医学系研究科)修了
大阪大学医学部大学院(医学系研究科)特別研究生
M.D. & Ph.D. 取得
神戸大学医学部附属病院 勤務
神戸労災病院 勤務
三菱神戸病院 勤務
資格・認定
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
日本整形外科学会認定 リハビリ医
日本運動器科学会 リハビリ指導医

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