足の母指（親指・母趾）の先が人差し指（第2趾）のほうに「くの字」に曲がり、つけ根の関節の出っ張ったところ（バニオンといいます）が痛みます。ひどくなると靴を履いていなくても痛むようになります。家族にも外反母趾の方が多いです。隣の人指指（第２趾）も曲がって（槌指）、甲側に皮膚の症状が出たり、足の裏側にタコができたりすることもあります。

幅の狭いつま先が細くなった靴を履くと、縦と横ののアーチが崩れて扁平足になり、
母指のつけ根から先が圧迫されて変形します。最近は日本でも急速に増えています。

10歳代に起こるものは母指が人差し指より長かったり、生まれつき扁平足ぎみであったりすると外反母趾になりやすい特徴があります。
最も多い中年期のものは履物に加えて、肥満と筋力低下などによっておこります。

・靴に指導；母指のつけ根はフィットし、先はゆったりとした履物を選びます。
・外反母趾体操；足の指を開く、グー、チョキ、パーを行います。（拘縮予防）
・両足の母指に輪ゴムをかけて足先を開く体操を行います。（自動運動の改善）
・装具療法；除圧パッド、母指と人差指の間の趾間スペーサー、インソール、アーチサポートなどの装具を付けます。（重症例では、余計に痛むことがあります）

痛みが強く、靴を履いての歩行がつらくなると手術をします。
外反母趾の手術法にはいろいろありますが、最も一般的なのは足の甲の一部（中足骨）を骨切りして矯正する方法で、変形の進行の程度により方法を選んで行っています。手術は腰椎麻酔か局所麻酔下に1時間以内で、翌日から歩行が可能です。従来の靴が履けるようになるのには2ヵ月間ほどかかります。