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医療コラム

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交通事故後の背中の痛みの原因と整形外科での検査・治療

交通事故後の背中の痛みの原因と整形外科での検査・治療

交通事故後の背中の痛みは、首(頸椎)だけでなく胸椎や背中の筋肉・靭帯にまで損傷が及んでいる可能性があります。背中の痛みは腰痛と混同されやすいものの、損傷を受けている部位が異なるため、治療やリハビリの方針も変わります。痛みの発生源を部位別に理解しておけば、整形外科を受診した際に医師の説明を理解しやすくなり、治療方針の判断にも役立ちます。

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交通事故のあとに背中が痛くなる原因

交通事故のあとに背中が痛くなる原因

交通事故による背中の痛みには複数の原因が考えられます。「背中」と一口にいっても痛みの発生源は異なり、原因によって治療法が変わるため、まずどの組織が傷ついているかを把握することが回復への第一歩になります。

頸椎捻挫(むちうち)が背中にまで広がるケース

追突事故で頭部が前後に大きく振られると、頸椎(首の骨)周囲の靭帯や筋肉が損傷する頸椎捻挫が起こります。頸椎捻挫は首の痛みだけで終わるとは限りません。

首の周囲から背中の上部にかけては僧帽筋などの大きな筋肉がつながっており、頸椎に加わった衝撃が背中まで広がることがあります。背中の上部から肩甲骨の間にかけて鈍い痛みが続く場合は、頸椎捻挫が背中に広がっている可能性があります。

このケースでは、首と背中の症状をセットで診る必要があり、首だけの治療では背中の痛みが改善しにくいことがあります。

胸椎やその周囲の靭帯・筋肉の損傷

背骨は頸椎7個・胸椎12個・腰椎5個で構成されており、「背中の痛み」の発生源の多くは胸椎とその周囲の組織です。

交通事故の衝撃で胸椎周囲の靭帯が引き伸ばされたり、背中の筋肉が過度に緊張して微細な損傷(筋挫傷)を起こしたりすると、体を動かすたびに痛みが走る、深呼吸で背中が張るといった症状が現れます。

腰痛の原因となる腰椎捻挫が腰部の筋肉や靭帯を損傷するのに対し、胸椎周囲の損傷は背中の中央から肩甲骨付近にかけての痛みとして出るのが特徴です。痛みの出る位置が肋骨の裏側や肩甲骨の間であれば、胸椎周囲の問題を疑います。

胸椎の圧迫骨折

高エネルギーの衝撃を受けた場合や、もともと骨密度が低下している方では、胸椎の圧迫骨折が起きることもあります。背中の広い範囲に強い痛みがあり、立ち上がるときや歩くときに痛みが増す場合は、圧迫骨折の可能性があります。

圧迫骨折は捻挫や筋挫傷とは治療方針が異なり、一定期間の安静やコルセットの装着が必要になるため、早期の画像検査による確定診断が重要です。

背中の痛みが事故の数日後に出る理由

背中の痛みが事故の数日後に出る理由

交通事故の直後には背中の痛みがなく、数日から1週間ほど経ってから症状が出てくるケースは珍しくありません。遅れて出る痛みにも身体的な理由があります。

アドレナリンによる痛覚の抑制

事故直後は強いストレスによって体内のアドレナリンが急上昇し、痛みの感覚が一時的に鈍くなります。このため、事故当日は「特に痛くない」と感じていても、アドレナリンの作用が落ち着いた翌日以降に痛みが表面化することがあります。

事故直後に症状がないからといって「怪我をしていない」とは判断できない点が、交通事故外傷の特徴です。

炎症反応と筋肉の防御収縮

衝撃を受けた瞬間、体は首や背中の筋肉を急激に硬直させて脊椎を守ろうとします(伸張反射)。この防御反応自体が筋肉に負荷をかけるため、微細な筋繊維の損傷が時間差で炎症を引き起こします。

急性期の炎症は受傷から24〜72時間後にピークを迎えるため、事故翌日から3日後にかけて背中の痛みが強くなるのはこの炎症反応によるものです。遅れて出た痛みであっても事故との関連性は認められるため、症状が出た時点で速やかに医療機関を受診することが回復と補償の両面で大切です。

整形外科で行う背中の痛みの検査

整形外科で行う背中の痛みの検査

背中の痛みの原因を特定するには、問診・身体所見と画像検査を組み合わせることが基本です。

レントゲンとCTで骨の状態を確認する

まず行われるのがレントゲン(X線)検査です。レントゲンでは骨折や骨の配列の異常を確認できます。圧迫骨折や脊椎のズレが疑われる場合は、提携先の画像検査施設でより詳細に骨の断面を映し出すCT検査を行うことがあります。

ただし、レントゲンやCTでは筋肉や靭帯などの軟部組織の損傷は映りません。「レントゲンで異常なし」と言われた場合でも、それは「骨には問題がない」という意味であり、背中の痛みの原因が否定されたわけではありません。

MRIで筋肉・靭帯・神経の状態を調べる

レントゲンで骨に異常がなく、それでも背中の痛みやしびれが続く場合には、提携施設でMRI検査を行います。MRIは筋肉・靭帯・椎間板・神経といった軟部組織の状態を画像で確認できる検査です。

頸椎捻挫が背中まで及んでいるケースや、椎間板の損傷が神経を圧迫しているケースなど、レントゲンだけではわからない原因をMRIで特定できることがあります。

理学所見で痛みの範囲と動きの制限を評価する

画像検査に加えて、医師による触診や動作テストも重要な評価手段です。どの姿勢で痛みが増すか、背中のどの部位に圧痛があるか、首や腕の動きに制限があるかを診ることで、画像に映らない筋肉や関節の問題を把握できます。

たとえば、首を動かしたときに背中の痛みが増すのであれば頸椎由来の可能性が高く、体幹を回旋させたときに痛む場合は胸椎周囲の損傷が疑われます。このように、画像検査と理学所見を掛け合わせて痛みの発生源を絞り込むのが、整形外科の診断の基本的な進め方です。

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交通事故後の背中の痛みに対する治療とリハビリの進め方

交通事故後の背中の痛みに対する治療とリハビリの進め方

背中の痛みの治療は、急性期の炎症管理から始まり、痛みの軽減に合わせてリハビリへ移行していきます。

急性期の治療:炎症と痛みのコントロール

受傷から2〜4週間程度の急性期は、炎症を抑えて痛みを軽減することが主な目的です。消炎鎮痛薬の内服・外用、物理療法(アイシングや電気治療)が用いられます。

圧迫骨折の場合はコルセットで患部を固定し、骨が癒合するまでの安静を保つことが基本です。捻挫・筋挫傷であっても、痛みが強い時期に無理に動くと炎症が遷延するため、痛みの程度に合わせた活動量の調整が必要です。

回復期のリハビリ:可動域の回復と筋力の立て直し

急性期の炎症が落ち着いた段階で、リハビリによる機能回復に入ります。背中の痛みが長引くと、無意識に背中の筋肉をかばう姿勢が定着し、筋力低下や可動域の制限が起こりやすくなります。

リハビリでは、まず肩甲骨周囲や胸椎の可動域を回復させるストレッチから始め、徐々に体幹の筋力を強化するエクササイズに進みます。リハビリの頻度は症状の経過によって異なりますが、一般的に週1〜2回の通院が目安です。

治療期間の目安と回復に影響する要素

背中の痛みの治療期間は損傷の内容によって幅があります。

損傷の種類 一般的な治療期間の目安
背中の筋肉の損傷・打撲 1〜2ヶ月程度
頸椎捻挫(首から背中まで痛む場合) 3〜6ヶ月程度
胸椎の圧迫骨折 3〜6ヶ月程度

治療期間に個人差が出る要因は、損傷の程度、受傷後に治療を開始するまでの期間、リハビリの継続度合いなどです。事故後できるだけ早く医療機関を受診し、途中で通院を中断しないことが、回復を遅らせないための基本になります。

診断からリハビリまで同じ医師が診る意味

診断からリハビリまで同じ医師が診る意味

交通事故による背中の痛みは、診断で原因を特定する段階と、リハビリで機能を回復させる段階がひとつながりの治療です。

原因の特定がリハビリの方針を決める

背中の痛みに対するリハビリは、原因によって内容が変わります。頸椎捻挫の影響で背中まで痛みが出ている場合は首と背中を連動させたアプローチが必要であり、胸椎周囲の筋肉が損傷している場合であれば体幹の安定性を高めるトレーニングが中心になります。

診断した医師がリハビリの方針も立てることで、画像所見と理学所見から得られた情報がそのままリハビリの設計に反映されます。診断と治療を別々の施設で行うと、情報の伝達に時間差が生まれ、リハビリの開始が遅れたり、方針にずれが生じたりするリスクがあります。

回復の経過に応じてリハビリを調整する

リハビリの内容は固定的なものではなく、回復の進み具合によって段階的に変わります。痛みが引いた段階でストレッチの範囲を広げる、筋力がついてきたら負荷を上げるといった調整を、経過を診ている医師がその場で判断できることは、回復のスピードに直結します。

整形外科専門医とリハビリ指導医の両方の資格を持つ医師が在籍するクリニックでは、診断からリハビリまでの一貫した管理が可能です。

まとめ

まとめ

交通事故後の背中の痛みは原因が一つではなく、レントゲンに映らない損傷であっても治療の対象になります。「数日経ってから痛みが出てきた」「画像では異常がないと言われた」というケースも事故との関連が認められるため、自己判断で様子を見続けないことが回復を早めるポイントです。

品川大井町整形外科・リハビリクリニックでは、整形外科専門医による診察から必要な画像検査の手配、リハビリまでを同じ医師が継続して担当します。「事故から少し時間が経ってしまったが、相談していいか迷っている」という段階でも構いませんので、気になる痛みがあれば一度お越しください。大井町駅から徒歩約1分、平日夜20時まで診療しています。

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この記事の監修者

品川大井町整形外科 リハビリクリニック

院長 福山泰平

当院では、整骨院や接骨院、整体・マッサージなどではできない、交通事故の専門治療プログラムを行っています。充実した機器と広いリハビリ設備を完備しておりますので、どうぞ、安心してご来院ください。

経歴
神戸大学医学部 卒業
神戸大学医学部大学院(医学系研究科)修了
大阪大学医学部大学院(医学系研究科)特別研究生
M.D. & Ph.D. 取得
神戸大学医学部附属病院 勤務
神戸労災病院 勤務
三菱神戸病院 勤務
資格・認定
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
日本整形外科学会認定 リハビリ医
日本運動器科学会 リハビリ指導医

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